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怒りっぽいのは睡眠不足が原因かも

心理病気脳

Posted on 2020.8.31

怒りっぽい人は睡眠時間が足りていない可能性があることが米国アイオワ州立大学の研究で明らかになりました。この研究では、まず202人の大学生の予備調査で、睡眠時間が不足している人ほど、怒りの感情を強く持つ(「睡眠不足の翌日の午後に強い怒りを抱く」などの日記の記載が多く見られる)ことが判明しました。

次に147人の大学近くの地域住民を対象に2グループに分けて、Aグループは通常の睡眠をとってもらい、Bグループは2日間で約5時間、ふだんより睡眠時間を短くしてもらい、その翌日に不快な騒音を聞かせて、そのときの怒りの度合いを評価をしてもらいました。その結果、よく眠った人は騒音に順応して怒りが時間が経つに連れて少なくなるのに対して、睡眠を制限された人は騒音に敏感に反応して、怒りの感情が強く現れ、時間と共に怒りの感情が強くなっていくことが明らかになりました。この結果について研究者は、睡眠不足は怒りを増大させ、時間とともに欲求不満を強く感じさせる傾向が判明し、精神疾患と睡眠障害の治療に役立つことを指摘しています。

【出典】G Hisler, A Miller, Z Krizan. 0276 Does Losing Sleep Unleash Anger? Sleep, 2020; 43 (Supplement_1): A105 DOI: 10.1093/sleep/zsaa056.274