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不規則な睡眠がうつ病を引き起こす

心理病気

Posted on 2021.8.21

米国ミシガン大学の研修医を対象とした調査によると、不規則な睡眠は、うつ病や気分の悪さに関係することが明らかになり、2021年2月の「npj digital medicine」で発表されました。この研究は、スマートフォンやスマートウォッチ(ウエアラブルデバイス)のデータから収集した、睡眠時間、運動量、体温、心拍数などのデータを分析したもので、平均年齢27歳の研修医という特殊な集団のデータではあるものの、2100人を超えるデータを1年間継続的に測定した貴重な研究です。その結果、不規則な睡眠時間の生活は、総じて睡眠時間が短くなる傾向があり、夜更かししている人と同じくらい、気分の低下が認められ、うつ病のリスクを高める可能性があるということです。研修中の医師は長時間の勤務と不規則な勤務時間によって睡眠スケジュールが不規則になりがちであるため、若手医師のメンタルヘルスのためにも、医学教育の根本的な見直しについて本気で取り組む必要があることを示唆しています。

【出典】Yu Fang, Daniel B. Forger, Elena Frank, Srijan Sen & Cathy Goldstein. Day-to-day variability in sleep parameters and depression risk: a prospective cohort study of training physicians. npj Digital Medicine, 2021 DOI: 10.1038/s41746-021-00400-z