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夜型の食生活はうつや不安レベルを高める

心理病気老化脳

Posted on 2022.9.19

夜型の食生活はうつや不安レベルを高める可能性があることが、米国ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究で明らかになり、2022年9月の「Proceeding of the National Academy of Sciences」でその研究報告が取り上げられました。

この研究では男性12人と女性7人が登録され、参加者のうち1グループは、24 時間の代わりに 1日28 時間の「生活時間のずれ」を人工的に経験させる 4 日間を過ごすように指示されました。この影響で、4日目までに行動周期が12時間逆転し、夜間勤務のシフトワーカーのような概日リズムに変化したそうです。皿のこのグループでは、食事の時間帯が昼間と夜中にずれ込んでいました。もう一方のグループでは、24時間周期の生活リズムで、日中だけ食事を摂るようにしました。日中のみの食事介入群では、参加者は 24 時間周期で食事を摂り、日中だけ食事をしていました。

その結果、 食事のタイミングが参加者の気分レベルに大きく影響することを発見しました。 具体的には、昼と夜に食事をした28時間周期グループの参加者の間で、うつ病のような気分レベルが26%増加し、不安のような気分レベルが16%増加したことを発見しました。一方で、日中のみの食事グループの参加者はこの増加は見られず、食事のタイミングが不安や気分の脆弱性に影響を与える可能性があることを示唆しています。

現代社会において、日中以外に仕事をするシフトワーカーは、労働力の最大 20% を占め、病院サービス、工場作業、およびその他の重要なサービスを担当しています。さらにシフトワーカーは、脳内の概日リズムのずれや、睡眠/覚醒、絶食/食事のサイクルなどの日常行動との間に不整合を経験することがよくあり、うつ病や不安のリスクが 25 ~ 40% 高いことも報告されています。

今回の結果について研究者は、 食事のタイミングの変更が、うつ病や不安/不安関連障害を経験している個人を助けることができるかどうかを立証するために、今後も研究を続けていくそうです。

【出典】 Jingyi Qian, Nina Vujovic, Hoa Nguyen, Nishath Rahman, Su Wei Heng, Stephen Amira, Frank A. J. L. Scheer, Sarah L. Chellappa. Daytime eating prevents mood vulnerability in night work. Proceedings of the National Academy of Sciences, 2022; 119 (38) DOI: 10.1073/pnas.2206348119