コラムColumn

他人からのサポートでうつ病リスクが低下

心理病気脳

Posted on 2023.1.29

ストレスの多い時期に他人からサポートを受けると、遺伝性うつ病のリスクが緩和されることが米国ミシガン大学の研究で明らかになり、2023年1月の「American Journal of Psychiatry」に掲載されました。

この研究は、ストレス下にある2つの非常に異なるグループの人々のデータを使用して、一般的にうつ病の症状を発症するリスクを緩和する上での社会的支援の重要性を示しています.。具体的には全国の病院で研修を受けた 1,011 人のインターンから得たもので、その半数近くが女性で、配偶者が死亡する前後に実施された調査からデータを入手できた 435 人の最近死別した個人 (その 71% は女性) からのものでした。さらに研究では、これらのデータを評価するために、「多遺伝子リスクスコア」と呼ばれる遺伝的リスクの尺度を使用しています。これは、特定の遺伝子のどの小さな変異がうつ病のリスクに関連しているかについての数十年にわたる研究に基づいています。
分析の結果、うつ病の多遺伝子性リスクスコアが低い調査対象者と比較して、リスクスコアが高い医師と配偶者を最近なくした高齢者の女性は、社会的支援を失った後のうつ病の割合が高かったことが判明し、さらにストレスの多い時期に社会的支援を受けた場合には、うつ病のリスクスコアが手いますることが明らかになりました。
この結果について研究者は、人が直面している継続的なストレスのレベルを下げることは重要であり、ストレスの多い時期を過ごしている人、または友人や親戚がストレスの多い時期を過ごしているのを見ている人は、自分から社会的つながりを維持または強化する行動をとったり、そうするように周囲がアドバイスすることがうつ病リスクを低下させるために重要であるとコメントしています

【出典】 Jennifer L. Cleary, Yu Fang, Laura B. Zahodne, Amy S.B. Bohnert, Margit Burmeister, Srijan Sen. Polygenic Risk and Social Support in Predicting Depression Under Stress. American Journal of Psychiatry, 2023; DOI: 10.1176/appi.ajp.21111100