ほんの一瞬の微笑みだけでも、人は幸福感を感じられることが、英国エセックス大学の研究で明らかになり、2024年2月の「Social Congnitive and Affective Neuroscience」に研究成果が発表されました。

この研究は47人の被験者に様々な表情のデジタルアバターを見せて幸せに見えるか、悲しそうに見えるかなどを評価してもらいました。その結果、わずか0.5秒の作り笑いだけでも、人は他人の表情を見て、「幸せそうに見える」という評価を下すことが明らかになりました。

この結果について研究者は、パーキンソン病や自閉症などの影響で、自発的に笑顔を作る筋肉をうまく動かせない人が、コミュニケーションを円滑にするために、微弱な電気刺激などで、笑顔を誘発するような仕組みを開発することに前向きに取り組むと述べています。

【出典】 Themis Nikolas Efthimiou, Joshua Baker, Alasdair Clarke, Arthur Elsenaar, Marc Mehu, Sebastian Korb. Zygomaticus activation through facial neuromuscular electrical stimulation (fNMES) induces happiness perception in ambiguous facial expressions and affects neural correlates of face processing. Social Cognitive and Affective Neuroscience, 2024; 19 (1) DOI: 10.1093/scan/nsae013