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運動の好き嫌いは遺伝による?!~脳の側坐核で36の遺伝子が特定
運動
Posted on 2013.4.18
周囲の人々を見ているとハイハイを始める頃から積極的に動き回る子供と、動き回らずに遊ぶ子供がいるように、運動好きの個性が表れ、長じては余暇の過ごし方もスポーツ派とインドア派に大きく二分されるように感じます。
こうした運動に積極的に関わるかどうかの志向性が、生育環境の影響よりも遺伝によるものである可能性が高いことが、米国・ミズーリ大学のFrank Booth博士らが、American Journal of Physiology: Regulatory, Integrative and Comparative Physiology 2013年4月3日オンライン版に発表した研究で明らかになりました。
博士らは、まず最初にオスとメスの多数のラットを回し車の入ったケージに入れ、6日間観察し、それぞれのラットがその間に回し車で走った時間を計測しました。
走行時間最長グループの26匹のオスとメス、走行時間最短グループの26匹のオスとメスの2グループに分け、交配させ、上記の選別を10世代に渡り継続しました。
この交配を繰り返して生まれた10代目の長時間走行する運動好き血統のラットと同じく、10代目の運動嫌いラットの比較したところ、運動好き血統のラットは走行時間は運動嫌い血統ラットの走行時間の10倍にも上ること、逆にいえば運動嫌いラットは運動好きラットの10%しか回し車で走らないことが明らかになりました。
この二系統のラットの体質や遺伝子を詳しく分析した結果、体組成や筋細胞内のミトコンドリアなどには、ほとんど違いは見出せませんでしたが、生まれつきの身体活動モチベーションの違いに、大きな役割を果していると考えられる36個の遺伝子が、脳の側座核で特定されました。
博士らは米国人の肥満増加は、米国人の生活習慣から運動嫌いの遺伝的形質を引き継いだ人間が増えたことによる可能性もあるのではないかと考えており、肥満研究に寄与する可能性が高い哺乳類であるラットの上記の遺伝子の機能について、さらに詳しく研究をすすめるとしています。
American Journal of Physiology: Regulatory, Integrative and Comparative Physiology 2013年4月3日オンライン版