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呼吸筋を鍛えると高血圧と記憶力が改善

運動

Posted on 2019.6.18

胸郭(胸のまわりの筋肉)を取り巻く「呼吸筋」を1日たった5分間だけ鍛えることで、高血圧や記憶力が改善することが、米国コロラド大学の研究で明らかになり、2019年4月にフロリダ州オーランドで開催された米国実験生物学会で発表されました。

この研究ではInspiratory Muscle Strength Training (IMST)と呼ばれる呼吸筋を強化するストレッチ法で、呼吸筋の働きが低下している睡眠時無呼吸症候群の患者を対象に、1日30回ゆっくりと長く息を吸い続けるトレーニングを行うことで、改善効果が現れるかどうかを検証しました。その結果、血圧の安定、脳機能(記憶力テスト)の改善、呼吸筋の能力が改善したそうです。Inspiratory Muscle Strength Training (IMST)では、手のひらサイズの小さなPower Breath https://www.powerbreathe.com/ というデバイスを使って息をゆっくり大きく吸い込むトレーニングを1日30回行うだけの誰でもできる簡単なトレーニングで大きな改善効果を得られたということです。研究者は、このデバイスがなくても、自分自身でゆっくりと胸を押し上げて息を吸い、ゆっくりと息を吐く深呼吸を30回ほど行っただけで、5分後には血圧が低下することが確認されたと述べています。

Daniel H. Craighead et al. 2019. Inspiratory Muscle Strength Training Lowers Resting Systolic Blood Pressure and Improves Vascular Endothelial Function in Middle-Aged and Older Adults. FASEB J 33, 1_supplement: 541.4