コラムColumn

損傷した筋肉から分泌される成分で筋肉再生が活性化

運動

Posted on 2020.10.17

筋肉は激しい運動によって鍛えて育てると言われますが、その新しいメカニズムの解明が、2020年10月13日付の国際幹細胞学会の学会誌『Stem Cell Reports』に掲載された 熊本大学の研究によって明らかになりました。

この研究では、マウスの筋組織に物理的損傷を加えて壊死させた筋損傷モデルを使用して観察した結果、損傷した筋肉から漏出される成分が発見され、「損傷筋線維由来因子(DMDFs:Damaged Myofiber-Derived Factors))」と命名されました。今回発見されたDMDFsは、休止期の筋幹細胞を活性させて増殖、筋分化を促進し、筋再生を迅速に進めさせることが明らかになりました。

この研究成果によって、さまざまな筋疾患の病態解明や治療薬開発への展開が期待されます。

【出典】 Yoshifumi Tsuchiya, Yasuo Kitajima, Hiroshi Masumoto, Yusuke Ono. Damaged Myofiber-Derived Metabolic Enzymes Act as Activators of Muscle Satellite Cells. Stem Cell Reports, 2020; DOI: 10.1016/j.stemcr.2020.08.002

熊本大学のプレスリリース