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ファストフード集中エリアと脳卒中の関係

脳食

Posted on 2009.3.5

ファストフード店が集中しているエリアでは、ファストフード店が少ないエリアに比べて13%も脳卒中の発症率が高いことが、ミシガン大学のルイス・モ-ガンスターン博士(Lewis B. Morgenstern, M.D.,of the University of Michigan)らによってアメリカ国際脳卒中学会で発表されました。

「我々や我々の子供たちは、居住環境に大きな影響を受けている」とモーガンスターン博士は言います。

同じくミシガン州のヘンリーフォード病院のブライアン・シルバー博士(研究参加者ではない)は、ファストフード業界にクレームを言いたくなるのは事実だが、このことが血圧や心房細動などよりも重要な問題ではないが、どんなリスクファクターも小さくするためには、考慮する必要がある問題かもしれないことを示唆しました。

研究はテキサス州南部のニュエセス郡で、1,247人の脳卒中患者を対象に2000年から2003年に実施されました。

研究者は研究を開始してすぐにファストフード店の数と、脳卒中リスクに相関関係がある可能性に気がつき、①急かすようなサービス、②少ない従業員、③テイクアウト、④前払い制、という4つの要素のうち2つ以上の特徴をそれぞれのファストフード店が持っていることがわかりました。

調査の結果、周囲に12件ファストフード店があるエリアに比べて、周囲に33店舗もファストフード店があるエリアでは23%も脳卒中のリスクが高く、年齢、性別、人種などを考慮した上でも、13%も脳卒中リスクが高いことがわかりました。

モーガンスターン博士は、ファストフードの多いエリアに、緑地や健康関連の施設などを設置する必要があることを指摘しています。

一方で今回の研究では、ファストフードの食事と脳卒中リスクの関係や、ファストフード店が集中するエリア内の健康施設やグリーンスペースの数、近所づきあいのストレスなどを調べていないため、直接的な因果関係は明らかになっていません。

しかしながら、この研究は、環境整備が健康維持に大きく影響するかも知れないことを示唆する重要なものであることをモーガンスターン博士は強調しています。

American Stroke Association International Stroke Conference
Source reference:
Morgenstern LB, et al "Fast food and stroke risk" ASA 2009; Abstract P162.