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【ライフスタイル】脳の特定部位の大きさで友人の数が決まる可能性あり!

Posted on 2012.4.1

tomodati英国・オックスフォード大学のRobin Dunbar教授らがProceedings of the Royal Society B 2012年2月1日オンライン版に発表した研究で、ある人の友人の人数は、その人の頭蓋骨の、目の上の裏側にある脳の部分(眼窩前頭前皮質)の大きさと関係していることが明らかになりました。
教授らは人間の社会性と脳の関係について研究を続けており、磁気共鳴画像法によって脳の特定部位との関連をこれまで研究してきました。
今回の研究では40人の健康な成人を被験者に、磁気共鳴画像法で脳画像、特に前頭前皮質を中心に詳しく画像解析しました。被験者は脳画像を撮影される前に、全員が調査日以前の1週間以内に社会的なやり取り、接触のあった相手(仕事関係は除く)をすべてリスト化して提出させられました。また同時に被験者の社会性のレベルを見るために、他者の心理を行動から想像や理解する能力の適格性を判断するテストも実施されました。
立体解析された脳画像データと友人の数、および他者心理理解力の関係を分析した結果、他者心理理解力が高く、友人数が多い被験者ほど、眼窩前頭前皮質が大きいことが明らかになりました。
教授によると脳の特定部位、すなわち今回の眼窩前頭前皮質の大きさと友人数の関係が解ったということは、我々人類が他の霊長類よりも大きな脳に発達してきたメカニズムを理解する上で大きな進歩だとし、過去50万年の間に、人類の前頭葉が何故これほどまで劇的に大きく発達したのかという理由が明らかにされたのではないかとしています。