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【食】DHAが記憶能力を改善するメカニズムが明らかになった!

脳食

Posted on 2012.7.4

DHADHA(ドコサヘキサエン酸)は、イワシなどの魚油に豊富に含まれるω-3不飽和脂肪酸に分類され、健康にプラスの作用があることが知られており、サプリメントとしても販売されています。
このDHAは加齢に伴う記憶力の改善にも効果があるとされていますが、そうした効果を否定した研究結果もあり、DHAの記憶力改善効果を裏付ける脳神経的なメカニズムの解明が課題とされていましたが、米国・アルバータ大学のYves Sauve博士らがApplied Physiology, Nutrition, and Metabolism 2012年6月20日オンライン版に発表した研究で、記憶改善効果へのメカニズムが明らかにされました。
博士らはマウスを使用して、通常のエサとDHAを豊富に含んだエサを与える2群に分け、マウスの脳を調べました。DHAを多く含んだエサを与えられたマウスの脳では通常のエサを食べていたマウスと比較して、記憶中枢である海馬にDAHが30%も多くなっていることが分かりました。そして電気的刺激を与えて調べた結果、DHAが多くなったマウスの海馬ではシナプス伝達が強化され、通常のエサを食べていたマウスの海馬に比べてシナプスの反応が増加していました。
博士らは食事に含まれたDHAが、海馬のDHAレベルの増加をもたらし、その結果海馬シナプスの反応と伝達が強化され、これが記憶力の改善という現象となって現れていることは明らかだとし、DHAを豊富に含む魚をたくさん食べたり、サプリとして摂ることで加齢に伴う海馬のDHAの減少を防ぎ、記憶力の低下を予防できるはずだとしています。