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【ライフスタイル】デュオ演奏しているミュージシャンは脳波もシンクロする!

Posted on 2012.12.5

duoドイツ・マックスプーランク・ベルリン研究所のJohanna Sänger博士らがFrontiers in Neuroscience 2012年11月29日オンライン版に発表した研究で、デュオ演奏している2人のミュージシャンは、異なる声部(パート)を演奏していても脳活動がシンクロしていることが明らかになりました。
博士らはこれまでの研究から、2人のミュージシャンが1つの曲の同じパートを一緒に演奏している時に、脳活動がシンクロしていることがわかっていましたが、異なる声部を演奏する場合には、どうなのかが明らかになっていなかったため、実験を行いました。
実験は32人の熟達したギタリストの協力を得て16組のドュオ演奏のペアとなってもらい、彼らの頭に脳波計測用の電極を装着した状態で、一つの楽曲の異なる声部(パート)を演奏させ、演奏中の彼らの脳波を詳しく分析するというものでした。
デュオ演奏はクラシックのギター曲をデュオ演奏用に編曲したもので、1人がリードパートを演奏し、もう1人が伴奏パートを演奏しました。得られた脳波のデータを詳しく分析した結果、演奏中に2人の脳はシンクロ(同期化)していましたが、これは相手の音が聞こえて発生する外的な刺激に対応することによるものではなく、社会的な認知や協調性に関わる部分と、音楽演奏に関わる部分の活動によって生じていることがわかりました。
この結果から博士らは、団体競技のスポーツや社会活動の際など、人間同士が互いの協調性を求められて活動する際にも、おそらくこうした脳波のシンクロが生じている可能性が高いのではないかとしています。