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【ライフスタイル】高齢男性にもセックスは重要!

性と生殖男性老化

Posted on 2010.12.11

otokoその昔、名奉行で知られる大岡越前守が母親に女性の性欲はいつまであるのかと尋ねたところ、母は黙って火鉢の灰を火箸でかき回し、「灰になるまで」と悟らせ たという逸話がありますが(新井白石が母親に尋ねたという説もあります)、西オーストラリア大学のBu Yeap教授らの研究グループがAnnals of Internal Medicine 12月7日号に発表した研究で、男性は90歳を超えてもなおセックスが彼らの生活・人生の重要な要素である感じていることが明らかにな りました。
教授らは2783人の75歳から95歳の高齢男性を対象に、1996年から2009年にかけて3回彼らの健康と性生活について面接調査を行い、また性ホルモンの血中濃度も測定調査を行いました。
調 査の結果、48.8%の高齢男性が、セックスは高齢になった今もなお自分の人生にとって重要なことであると考えており、30.8%(857人)が調査の1 年以内に少なくとも1度以上はセックスをしたと回答していました。性的に現役であると答えた857人のうち56.5%は回数について満足していましたが、 43%はもっと頻繁にしたいと回答していました。ただし1年以内にセックスをしたと答えた割合は75歳から79歳では39.6%でしたが、90歳以上では 11%に減少していました。同様にセックスが人生上重要だと回答した割合も70代では59%に上りましたが90代では20.9%でした。
また、血中のテストステロン濃度が高い高齢者ほど性生活が活発であり、年齢の増加、妻の性に対する関心の低下と身体上の問題、骨粗鬆症、前立腺がん、糖尿病、抗うつ剤の服用、βブロッカーの使用などが、それぞれ独立に性生活へのマイナス要因となっていました。
教授はこの結果から、高齢男性の多くが未だに満たされない性的欲求を抱えていることが示唆されたが、高齢男性に対する可能な性機能改善の途は今後さらに研究する必要がある課題であるとしています。