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ライフスタイル】ホームレス高校生!ハイティーン同性愛者の4人に1人が家庭を失う米国
性と生殖
Posted on 2011.7.25
米国・マサチューセッツ州ボストン小児病院(Children's Hospital Boston)のHeather Corliss博士らがAmerican Journal of Public Health 2011年7月21日オンライン版American Journal of Public Healthに発表した研究で、同性愛やバイセクシュアルの性的指向を持つ米国のティーンエイジャーは、ホームレスになってしまう可能性が、そうではない 同世代者の数倍以上にもなることが報告されました。
博士らは2005年と2007年に、マサチューセッツ州の公立高校の生徒(日本の中学3年から高校3年までに当たる学年の生徒)6317人を調査し、彼らの性的指向と、家庭環境、居住・生活状況などのデータを得ました。
調査では高校生たちに「おもに夜過ごす場所はどこか?」「通常どこで睡眠しているか?」などの質問に対する回答から、ホームレスであるかどうかが判定されました。
データを分析した結果、ホームレスの割合が異性愛指向の高校生では全体の3%だったのに対し、ゲイとレズビアンの同性愛指向の高校生では、ホームレス率が25%、バイセクシュアル指向の高校生では、15%にも上ることがわかりました。
博士らはゲイ・レズビアン・バイセクシュアルの高校生のホームレス率が高いのは、彼らの所属する家族がホームレスであるというよりも、性的指向の問題から、 家族に見捨てられたり、虐待を受けたりしがちであり、そのことで家を出るようになってしまうことが多いことを示唆しているとしています。
そしてホームレスになってしまうことで、メンタルヘルスの問題や、薬物リスク、暴力や性的虐待を受けるリスクなどが高くなることが明らかなので、高校生の性的指向の問題に、学校関係者のみならず、社会が注意を向ける必要があるとしています。