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【食】健康な食が精子の量と質を高める!

性と生殖食

Posted on 2011.10.20

kenkoudansi質の良い穀類、果物、野菜を食べ、トランス脂肪酸を避ける食生活が、精液に含まれる精子の運動性を高めることが、ハーバード大学の Audrey Gaskins研究員らと、Jorge Chavarro 博士らが行った、Fertility Sterility 2011年9月号に発表された2つの研究から明らかになりました。
Audrey Gaskins研究員らはニューヨーク州ロチェスター大学の男子学生188人(18~22歳)を対象に、食生活と精子の運動性の関係を調査しました。調査 の結果、穀類、野菜や果物を、最も食べる頻度が少ないグループに属する男子学生の精子の運動率が56.2%だったのに対し穀類、野菜や果物を最も多く食べ るグループに属する男子学生の精子の運動率は62.5%で、この差は統計的にも有意な差であることがわかりました。
精子の運動性は精子の質を測る上で最も重要な要素であり、食生活が精子の質に与える影響が大きいことを、この結果は示しています。
も うひとつのJorge Chavarro博士らの研究では、23人の男性の精液を調べた結果、トランス脂肪酸(多量に摂ると悪玉コレステロールが増え、心臓疾患リスクが高まるな ど健康にマイナスの影響が強いといわれています)の摂取量が最も少ないグループの男性の精液中の精子数が、7900万/mlだったのに対し、トランス脂肪 酸を最も多く摂取しているグループの男性の精液中の精子数は4800万/mlでした。
博士らによると、トランス脂肪酸を最も多く摂取してい たグループの精子数は、少ないけれども正常の範囲であり、また運動率や奇形率にも大きな影響はなかったので、明らかに負の影響があるとは言えないけれど も、摂取量が少ないグループのほうが、精子数が多かったことも事実であることから、影響を見極めるためにサンプル数が少ない今回の研究に基づき、さらに大 規模な研究をする必要があるとしています。