コラムColumn

【食】精子の質が低下する!男性は脂肪のとりすぎに注意

性と生殖食

Posted on 2012.3.18

abura米国・Dartmouth-Hitchcock Medical Center(ダートマス大学病院)のJill A. Attaman博士らがHuman Reproduction 2012年3月13日オンライン版に発表した研究で、脂肪分の多い食生活パターンにより、多量の脂肪分を摂取している男性は、 低脂肪な食生活をしている男性に比べて、精子の数も濃度も低く、精子の質が悪くなっていることが、明らかになりました。
博士らは動物の研究 で脂肪摂取が、雄の妊性に影響を与えていることが示唆されていることから、人間の男性の場合に関しての研究を企画しました。今回の研究では99人の男性 (平均年齢36歳、88人が白人)を対象に、摂取している食事の内容・成分を詳しくデータとして採取すると同時に、精液を採取し分析しました。
さ らに被験者中23人に関して、精液中の脂肪酸値と精漿が、ガスクロマトグラフィーで分析されました。被験者の71%がBMI値25以上で、66%は喫煙経 験がありませんでした。データを分析した結果、毎日の食事から摂取する総カロリー中脂肪分が37%以上、もしくは飽和脂肪が13%以上の男性(脂肪摂取量 が上位25%に属する被験者)は、脂肪をあまり摂取していない男性(摂取量が下位の50%に属する被験者)に比べて、精子数と濃度が40%低いことが明ら かになりました。
また今回の研究で健康によい影響を与えることが知られている不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸を多く摂取していることが、精子の形態の良さに関与していることも明らかになりました。
こ の結果について博士らは、喫煙やマリファナ、コカイン、飲酒、精巣が高熱にさらされることなど、が男性の妊性と不妊に関与していることが示唆されてきた が、脂肪過多と飽和脂肪酸の過剰摂取が、不妊に繋がる可能性が示唆されたとし、脂肪を少なく、オメガ3脂肪酸を多く含む食生活が望ましいことが明らかに なったとしています。