日本では中高年のセックスに関する医学的な研究は希少ですが、アメリカではさまざまな中高年の性意識調査、病気と性生活に関する研究が行われています。しかし今回の研究は中高年女性の糖尿病患者さんを対象にした、米国の研究の中でも珍しい調査です。
カ リフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者らが、40歳～80歳までの2270人の平均年齢55歳の女性に記入式のアンケート調査で、性生活に関する満 足度についての意識調査を行いました。このうち1006人はラテン系でない白人女性、486人が糖尿病と診断されており、139人がインスリン療法を受け ていました。
調査の結果、糖尿病でない女性の19.3％が性的満足度が低いと答えたのに対し、糖尿病にかかっている女性の26％、糖尿病にかかりインスリンの投与を受けている女性の34.9％が、性的満足度の低さを訴えていました。
この結果について研究者らは、糖尿病の合併症である、腎障害、末梢神経障害、心臓病、脳卒中などが、性的な満足度を低くしていることが想定され、糖尿病の女性患者のＱＯＬを高めるためにも、引き続き調査を実施していく価値があると述べています。