キスは、ボノボ、チンパンジー、人間などにしか見られない「特別な行為」ですが、では、人はなぜキスをするのでしょうか？　その意味について、オックス フォード大学の研究者らが、2013年10月号の科学雑誌『Archives of Sexual Behavior』に発表しました。こ の研究は、18歳から63歳の男性308人、女性594人を対象に、オンライン調査を行いました。その結果、人間のパートナー選びは実に複雑で、最初は、 顔や体格、そして社会的な地位などを見て、自分にふさわしい相手かどうかを判断し、その後、さらに関係が進むと、遺伝的な相性や、一般的な健康状態、生物 学的な適合性、味や匂いの好みなどを評価して、パートナーを選んでいました。そしてキスは、お互いの関係がある程度まで進んだときに、遺伝的な相性や、一般的な健康状態、生物学的な適合性、味や匂いの好みなどを評価するために、とても重要な行為であることが明らかになりました。特に女性の場合、長期にわたり、妊娠・授乳などの育児期間に拘束されるために、自分に合ったパートナーを探すために、男性以上に、関係が深まっていく過程において、キスを重視している傾向が明らかになりました。さらにキスの回数が多いほうが、パートナーとの関係が良好であることもわかりました。また短期的（一時的）な恋人関係を築く場合に、キスは男女ともに、セックスをする前ではとても重要視されますが、セックス中やセックス後には、重要視されないことが明らかになりました。この結果から、例えば自分が本命なのかどうかを確かめるには、交際中にキスを頻繁に求めるかどうか、セックス後にキスを求めるかどうか、などをチェックすれば、いい評価材料になるかもしれませんね。。。キスが少ないカップルは、相性と愛情の再確認を！！
Wlodarski, R. & Dunbar, R.I.M. Examining the Possible Functions of Kissing in Romantic Relationships. Archives of Sexual Behavior, 2013
Rafael Wlodarski, Robin I. M. Dunbar. Menstrual Cycle Effects on Attitudes toward Romantic Kissing. Human Nature, 2013;