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見た目も老化するタンパク質不足の見つけ方
タンパク質は新しい細胞を生み出すための材料として重要で、年齢や妊娠中、運動量などによって多少異なりますが、日本人の成人男性は1日60g、女性は50gが推奨量で、毎食のカロリー量の約13~20%はタンパク質から摂取する必要があると言われています。タンパク質は新陳代謝を続けている体にとって欠かせない体を作る材料で、皮膚、血液、血管、骨などを健康な状態に保ちます。不足すれば、見た目の美容状態にも影響が出るわけです。タンパク質が不足しているかも…と早期に気づいて、食生活を見直すことが老化や体調不良を引き起こさないためにも大切です。タンパク質不足に早く気づくための7つのサインは以下のとおりです。
タンパク質不足の兆候① むくみ
十分なタンパク質が得られていないことを示す最も一般的な兆候の1つとして、お腹、脚、腕、手足の指などの腫れ(浮腫)があります。タンパク質不足がむくみを引き起こす原因は、血液中を循環して組織内に余計な水分がたまらないように調節するタンパク質(特にアルブミン)が不足するからだと言われています。
タンパク質不足の兆候② 落ち込み、攻撃性などの気分の変化
脳は、神経伝達物質と呼ばれる化学物質を使用して、細胞間で情報共有します。これらの神経伝達物質の多くは、タンパク質の構成要素であるアミノ酸でできています。したがって、食事にタンパク質が不足していると、体がこれらの神経伝達物質を十分に摂取できない可能性があり、それによって脳の働きが悪化します。具体的にはドーパミンとセロトニンのレベルが低いと、落ち込んだり、過度に攻撃的に感じたりすることがあります。
タンパク質不足の兆候③ 爪、髪、肌のトラブル
爪、髪、肌はエラスチン、コラーゲン、ケラチンなどのタンパク質で構成されています。タンパク質が不足すると、爪、髪、肌を正常なサイクルで作れなくなり、薄毛、切れ毛、爪が割れる、爪が弱くなる、肌の乾燥、肌荒れ、湿疹などのトラブルが発生します。
タンパク質不足の兆候④ 疲れ、やる気の低下
研究によると、中高年以降でタンパク質不足が1週間続くと筋肉量が低下して、姿勢や動きが緩慢なることが明らかになっています。筋肉が不足すると動きが鈍くなったり、けがをしやすくなったり、疲れやすくなります。それだけでなく、筋肉からは、たくさんのホルモンが分泌されており、意欲ややる気の低下にも関係していると言われています。
タンパク質不足の兆候⑤ めまい、立ちくらみ
タンパク質不足によって新しい血液を作り出す能力も低下して貧血やめまい、立ちくらみなどを感じることがあります。
タンパク質不足の兆候⑥ 食べているのに空腹
食事をきちんと食べているのに、空腹を感じている…という人は、タンパク質が不足しているのかもしれません。カロリー摂取量は変えずに、タンパク質の比率を多めにしてみましょう。
タンパク質不足の兆候⑦ 病気にかかりやすく治らない
擦り傷などを負った後に、なかなか傷がきれいに治らない場合は、1つの要因としてタンパク質不足が疑われます。風邪をひきやすい、ウイルス感染しやすい、熱が出て寝込むとなかなか治らない…などの症状があれば、タンパク質が毎日の食事で不足しているのかもしれないので、見直してみましょう。
孤独がネット中毒を引き起こす
フィンランドのヘルシンキ大学の研究によると、孤独な青年ほど、インターネット中毒になりやすいことがわかり、2021年2月の『Child Development』で報告されました。
この研究は、青年の有害なインターネットサイトの使用状況に関する調査データを分析したもので、16~18歳のフィンランド在住の1750人を対象に行われました。 その結果によると「強迫的なインターネットの使用」は、学業成績の低下と関係し、さらにうつ病など、メンタルヘルスに有害になる可能性があるそうです。具体的には、ゲーム中毒、またはソーシャルメディア中毒などで、研究者は「コロナウイルス感染症が流行している今、思春期の若者の間で孤独感が著しく高まっています。彼らはインターネットに対して帰属意識を求めています。そのため思春期の若者はインターネットに向かい、中毒になるリスクがあります。そしてインターネット中毒は、うつ病や気分障害などを悪化させる可能性があります」と述べます。 問題のあるインターネットの使用に陥るリスクは、今回の調査対象者の年齢の中では、最も若い16歳が最も高く、男性の方がその傾向が強かったそうです。一般的には、インターネット依存は思春期を過ぎて成人になるころには、他に関心が移って依存度が低くなると言われていますが、うつ病などに悪化していかないように家族や学校が注意を払う必要があると述べています。
【出典】
István Tóth‐Király, Alexandre J.S. Morin, Lauri Hietajärvi, Katariina Salmela‐Aro. Longitudinal Trajectories, Social and Individual Antecedents, and Outcomes of Problematic Internet Use Among Late Adolescents. Child Development, 2021; DOI: 10.1111/cdev.13525
不規則な睡眠がうつ病を引き起こす
米国ミシガン大学の研修医を対象とした調査によると、不規則な睡眠は、うつ病や気分の悪さに関係することが明らかになり、2021年2月の「npj digital medicine」で発表されました。
この研究は、スマートフォンやスマートウォッチ(ウエアラブルデバイス)のデータから収集した、睡眠時間、運動量、体温、心拍数などのデータを分析したもので、平均年齢27歳の研修医という特殊な集団のデータではあるものの、2100人を超えるデータを1年間継続的に測定した貴重な研究です。
その結果、不規則な睡眠時間の生活は、総じて睡眠時間が短くなる傾向があり、夜更かししている人と同じくらい、気分の低下が認められ、うつ病のリスクを高める可能性があるということです。研修中の医師は長時間の勤務と不規則な勤務時間によって睡眠スケジュールが不規則になりがちであるため、若手医師のメンタルヘルスのためにも、医学教育の根本的な見直しについて本気で取り組む必要があることを示唆しています。
【出典】
Yu Fang, Daniel B. Forger, Elena Frank, Srijan Sen & Cathy Goldstein. Day-to-day variability in sleep parameters and depression risk: a prospective cohort study of training physicians. npj Digital Medicine, 2021 DOI: 10.1038/s41746-021-00400-z
2020年11月『毎日が発見』巻頭特集12ページを取材執筆
11月号『毎日が発見』の巻頭特集12ページを取材・執筆しました。鎌田實式 コロナにならない生活習慣 読み応えあります。お花畑の鎌田先生は意外にメルヘンチックでした。さだまさしさん、原田泰治さんとのオンライン鼎談も楽しい読み物です!
NHK「美と若さの新常識」に出演
NHK「美と若さの新常識~体のヒミツ」に出演しました。
『サンデー毎日』で特集記事を担当
10月25日号『サンデー毎日』で特集記事を担当しました。テーマは、「一滴の血液から寿命がわかる」です。認知症、脳梗塞、心筋梗塞、がんなどのリスクを血液検査で調べることができる検査について、4人の医師に取材しています。
宇山恵子が企画・取材・執筆などを担当した記事やコラム
宇山恵子が企画・取材・執筆などを担当した記事やコラムです大学勤務前後や土日祭日を使ってメディアの皆さんと企画会議をしたり、取材に出かけたり、写真撮影したり、原稿を書いたりしています。人に会って取材をして書くことが大好きです!